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年0.1%を切る信託報酬「SBI・バンガード・S&P500」新規設定記念セミナー=SBI証券

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SBIアセットマネジメント代表取締役社長 梅本賢一氏(写真:左)
バンガード・インベストメンツ・ジャパンETF戦略部長 渡邊雅史氏(中央)
SBI証券 投資情報部 榮聡氏(写真:右)

 SBI証券は10月31日、東京・港区で「SBI・バンガード・S&P500」新規設定記念セミナーを開催した。「SBI・バンガード・S&P500」は、バンガードとSBIグループによる共同ブランドファンドであると同時に、信託報酬率が税込み年率0.0938%と、業界で初めて年0.1%を下回る水準に設定されたことで個人投資家からも大きな反響があったファンドだ。同ファンドは、つみたてNISAの対象商品にも採用され、SBI証券でもつみたてNISAで投資できるファンドとして提供している。セミナーでは、米国株式市場やS&P500インデックスの魅力の他、新たに誕生した「SBI・バンガード」ブランドの今後についても語られた。

 セミナー第1部では、SBI証券 投資情報部シニア・マーケットアナリスト(外国株担当)の榮聡氏が、「米国株の投資魅力と見通し」をテーマに講演した。榮氏は、米国株式の特徴として、(1)過去30年間で米国S&P500指数は年率平均8%で成長した。(2)グローバルでの株式時価総額に占める米国の比率は約41%であり、グローバル株式投資において米国株式はまず投資先として検討すべき存在。(3)株式の時価総額上位30社でほとんどは米国企業。日本株式の最高位は31位にランクするトヨタ自動車で、日本株は上位30社に入らない。(4)日本株式で代替できないセクターが存在する。たとえば、グローバル・ネット企業(アマゾン、グーグル、フェイスブックなど)、グローバルIoT企業、グローバル・メディア企業、電子決済、天然資源など――と紹介した。

 そして、米国市場の魅力として「米国は生産年齢人口が2050年にかけて増加することが予測されている。日本や欧州、そして、中国も生産年齢人口が減少すると見込まれる中で、引き続きしっかりした経済成長が期待できる。また、大企業でも飛躍的に成長する市場である。アマゾンやフェイスブックのような企業も20%増収を実現しており、消費者に身近でよく知られた企業が高い成長を遂げていることで、株式投資への関心を高め、高い流動性を持つ市場を維持できている。さらに、『企業は株主のためにある』という考え方が徹底し、株主に対する情報開示が進み、世界で最も透明性の高い市場」と紹介した。

 一方、当面の米国市場の見通しは、米中摩擦は簡単には終結せず株式市場は引き続き警戒感を抱えた相場となる見通しながら、「米国は製造業の割合が低く、昨今の製造業不振による景気減速とは一線を画している。米国株価が史上最高値近辺で崩れないのも、市場に占める景気敏感株の比率が日本やドイツの46~47%と比較して米国は26%程度と相対的に低いことも影響していると考えられる。ただ、今期予想PERは18倍を超え過去の水準と比較して割高感がある。来期予想PERは16.5倍であり、現在の企業収益が継続すれば、大きな崩れを心配する状況にはない」と解説していた。

 第2部は、バンガード・インベストメンツ・ジャパンのETF戦略部長の渡邊雅史氏が、「バンガードとジョン・ボーグル:航路を守れ」と題して講演。バンガードの歴史と投資哲学を解説した。1975年創業のバンガード社は、「投資家を最優先する」という考え方のもと、バンガードが運用しているファンドが、バンガード社の株主であるという独自の会社構造になっている。会社の余剰利益は株主であるファンドに還元するという考えが徹底され、結果的に同社が運用するファンドの経費率(信託報酬)は、全米の平均0.6%に対し、0.1%になっている。中でも、S&P500に連動するETFである「VOO」は年0.03%の経費率と全米最低水準を実現している。

 また、バンガードの投資哲学として「明確な目標を持つ」「バランスを取る」「コストを最小化する」「規律を守る」という4つの方針を紹介し、「この投資哲学は、個人で資産運用を考える時にも参考になる」と伝えていた。特に、「創業者であるジョン・ボーグルが大切にしていたのが、『規律を守る』ということで、『航路を守れ(Stay the Course)』というのは、ジョン・ボーグルの最後の著書のタイトルでもある。彼は、全部を買うこと、すなわち、インデックスに投資する重要性を説き、そして、一度始めた投資を継続することの大切さを伝えていた」と紹介した。

 バンガード社が世界初のインデックスファンドを設定したのは1976年。そのファンドが米国S&P500に連動する「バンガード500」だが、その設定時の価格を100とすると、現在まで継続投資していたら、2019年8月までの40年間あまりで約9000ポイントと約90倍になっているという。「15年以上の長期運用ではS&P500指数に対して米国のアクティブファンドの80%以上が負けてしまっているというデータもある」と、インデックスファンド運用の魅力を語っていた。

 第3部ではバンガードの渡邊氏と、SBIアセットマネジメント代表取締役社長の梅本賢一氏がパネラーとして登壇し、事前に投資家から寄せられた質問に答えた。

 たとえば、「ETFと投信は、どちらが良いのか?」という質問に、渡邊氏は「車の運転の時のオートマとマニュアルのように考えるとわかりやすい。ETFはマニュアル車のように、自分でギアを変えるように好きなタイミングで売買が可能で、売買手数料がかかるものの、経費率は0.03%で持っていただける。投信はオートマ車のように誰でも便利に使っていただける。ETFは1口が300米ドル弱(約32,400円)のところ、投信は100円~購入することが可能で、分配金の再投資も手間なく行え、かつ、つみたてNISAでも使えて積立投資に便利という特徴がある」と回答していた。

 また、「『楽天・バンガード・ファンド(全米株式)』『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』との違いは?」との質問については、「楽天・バンガード・ファンド(全米株式)」は、投資するETFが米国の大型株から中小型株までほぼすべての株式に投資する「VTI」であるため、S&P500に連想する「VOO」に投資する「SBI・バンガード・S&P500」とは異なると説明。「VTI」は米国株式で時価総額ベースで99%をカバーするが、「VOO」は大型株500社が投資対象で米国株式時価総額の約80%をカバーしているという。

 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」との違いは、eMAXISがS&P500採用銘柄に直接投資するインデックスファンドであることに比べ、「SBI・バンガード・S&P500」はS&P500指数に連動するETF「VOO」に投資するという違いがある。「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は11月12日から信託報酬を税込み年0.0968%に引き下げることを発表し、「SBI・バンガード・S&P500」の同0.0938%に肉薄している。

 そこで、「もし、同じコンセプトのインデックスファンドで、より低い信託報酬のファンドが出てきた場合は、どうする?」という質問が出たが、それに対し、梅本氏は、「今回の共同ブランド『SBI・バンガード』は、バンガード社の方針である投資家を最優先する、コストを最小化するなどの方針を共有化するという考え方でスタートしている。ファンドの運用コストについては、お客様の期待に応えられるように最大限の努力をする覚悟だ」と回答していた。

 そして、「今後のSBI・バンガードシリーズの商品戦略は?」という質問に対し、「今現在、具体的に検討しているファンドはないものの、共同ブランドを立ち上げたということは、シリーズで複数本を提供したいという考えがあるため」(梅本氏)と語り、セミナー参加者にバンガード社とのタイアップで出してほしい商品のアイデアを積極的に出してほしいと要請していた。


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