つみたてNISAニュース

つみたてNISAの利用、将来に明るい見通しを持っているポジティブな若者が支持=フィデリティ1万人調査

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フィデリティ退職・投資教育研究所
野尻哲史氏

 「つみたてNISAのスタートは、20代、30代という若い方たちに投資のきっかけを提供している」――フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史氏(写真)は、「2018年サラリーマン1万人アンケート」の結果を分析し、つみたてNISAの利用者の際立った特性に驚いたと語った。フィデリティ退職・投資教育研究所は、2010年から調査対象者が1万人を超える大規模な意識調査を継続実施し、今回は2018年4月2日~9日に実施した。つみたてNISAは、開始から3カ月余りというタイミングだったものの、従来の投資優遇口座(企業型DC、iDeCo、一般NISA)とは異なる際立った特徴が感じられたという。

20-30代と40-50代で分かれる

 NISAを開設している人の比率は、25.5%と4人に1人の水準に高まっているが、年代別にNISAの利用状況を検証すると、20代、30代では「つみたてNISA」、40代、50代は「一般NISA」とくっきりと利用状況が分かれた。特に20代では、NISA利用者は全体の22.1%だったが、NISAの利用者の85%は「つみたてNISA」を利用している。また、30代はNISA利用率が27%と20代~50代では最も比率が高くなるが、そのうち「つみたてNISA」の利用率は52%になっている。40代、50代は、NISA利用者に占める「つみたてNISA」の利用率は20%を下回っている。

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 さらに、非課税制度利用者の家族構成による利用状況を調べると、明確な特性が浮かび上がってきた。既婚・配偶者ありが突出して利用率が高く、また、子どもを持っている、または、持とうとしている世帯で非課税口座の利用率が高くなった。特に、つみたてNISAの利用者は、「現在子どもなし、将来あり」といういずれ子供を持ちたいと考える既婚者に際立って多く利用されていることがわかった。
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つみたてNISAの利用者は老後にポジティブ

 また、老後の生活についてのイメージを聞くと、つみたてNISAの利用者は、「いきいき・はつらつ」「明るく・楽しい」などポジティブな印象を持っている人が多い。一般NISAの利用者では「のんびり・マイペース」という比率が高くなっていることに比べると、つみたてNISAは、より活動的な生活をイメージしているようだ。一方、非課税制度を利用している人は老後の生活を「つらく・不安」と感じている人は相対的に少なかった。

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 そして、老後の楽しみについては、つみたてNISAを利用している人は、「ボランティア」「働き続ける」「家族との時間を楽しむ」など、周囲との係りを持って、明るく前向きな楽しみをイメージしていることが分かった。一般NISAやiDeCoなどの利用者は「旅行・レジャー」をイメージする人がかなり多くなっているが、それと比較すると「ボランティア」の比率が高いところに、つみたてNISA利用者の特性が際立っている。
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 今回の調査でわかったことは、つみたてNISAを利用している人は、「20代、30代という若い世代であり、将来に子どもを持つ計画をしている既婚者」であり、「老後も働いたり、ボランティアなどをして明るく生き生きと生活したい」と考えるポジティブな人たちだということだった。将来に希望を持って計画的な行動ができるからこそ、つみたてNISAをいち早く利用開始したということができるのだろう。

DC利用者は、退職準備を計画的に取り組む

 野尻氏は、「非課税制度利用者の特性を様々な角度から分析をしていくことで、見えてくることはたくさんある」と、さらなる分析を進める意向だという。既に、サラリーマン1万人アンケートによって、「DC加入者は、非加入者に比べて退職準備額の水準が高い」「DC加入者は年代別にみて、『退職準備ゼロ』の層が低下傾向にあり、かつ、退職準備額1,000万円以上の層が増加傾向にある。反対に、非加入者は『退職準備ゼロ』層が増加傾向にあることが懸念される」などの傾向が明確に出ている。そこから、「DC(企業型、個人型を問わず)に加入することは、退職準備に計画的に取り組む効果がある」という「DC加入が生活態度を変えるきっかけになる」という仮説を立てている。

 今回の調査では、全体の45.8%を占める「未婚」、また、42.8%を占める「現在子ども無し、計画無し」の人たちに、非課税制度の利用が少ないという傾向がはっきりしている。野尻氏は、「この層へのアプローチが急務」としている。非課税制度の利用がない層では、老後の生活イメージは「ほそぼそ・質素」「つらく・不安」などネガティブなイメージを持つ傾向が強く、また、老後の楽しみについても「特になし」が際立って多い。

 なお、今回のアンケートでは、資産配分の考え方を聞いている。全体の57.7%が「考えていない・行動していない」という回答になったが、一般NISAの利用者の50.6%、つみたてNISA利用者の53.3%が「資産配分の見直しを行っている」と回答。次いで、「自動的に資産配分を変える商品やサービスが欲しい」という回答が目立った(つみたてNISA利用者の26.2%、一般NISA利用者の15.1%)。フィデリティ投信の「フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)2050」「同2040」が、つみたてNISA対象商品に採用されたばかりだが、世界の資産に分散投資し、ターゲット・イヤーに向かって、自動的に資産配分を見直してくれる同ファンドなどは、制度利用者のニーズに適った商品といえるだろう。
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