つみたてNISAニュース

つみたてNISAは「隗より始めよ」、金融庁や銀行などが率先して自らつみたて開始

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金融庁総務企画局
参事官(総合政策・資産運用担当)
油布志行氏

 三菱UFJ国際投信は、格付投資情報センターの「ファンド情報」と共同で金融機関のつみたてNISA担当者を主たる対象にした「つみたてフォーラム」を4月25日に東京・中央区で開催した。フォーラムの冒頭であいさつに立った三菱UFJ国際投信の取締役社長 松田通氏は、「金融機関の皆さまの信頼できるパートナーとなれるよう、提供する商品の品質向上に努め、かつ、有益な情報を提供することて、つみたてNISAの推進機運を盛り上げていきたい」とフォーラムの狙いを語った。同フォーラムでは、金融庁 総務企画局参事官の油布志行氏が基調講演を行ったほか、ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行、横浜銀行のつみたてNISA推進担当者によるパネルディスカッションが行われた。

 金融庁の油布氏の講演は、「『つみたてNISA』の普及・定着等について」をテーマに行われ、金融庁が本気になってつみたてNISAの定着に向けて取り組んでいることを強調した。特に、日本の個人金融資産が17年12月末で約1880兆円となる中、依然として預金の積み上がりが顕著なことを憂慮。「過去20年間で米国の家計金融資産は2.93倍に増加し9,000兆円の規模に拡大したことと比べ、日本は同じ期間に1.46倍にしか増えていない。資産が資産を生むというリターンが日本には乏しいためだ。日本の家計資産にキャピタルゲインを生みやすくなるような資産構成に転換したい」とした。

 その上で、個人型確定拠出年金(iDeCo)にデフォルト商品として運用商品を取り入れる動きが出始めたこと、また、同じく確定拠出年金の分野で金融機関にあった兼業規制が緩和される(金融機関の窓口での商品説明が可能に)方向にあることに期待を寄せた。そして、預貯金に眠る家計資産の「山を動かす」ことの大前提として金融庁が力を入れている「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」について、米国SEC(証券取引委員会)でも「ベスト・インタレスト(最善の利益)」という言葉を用いて、一歩踏み込んだ新しい規制案が示されるなど、世界的な潮流になっていると紹介した。

 さらに、金融庁が「職場つみたてNISA」を導入し、他省庁、地方自治体などに呼び掛けて、「職場つみたてNISA」の普及に努めていることを強調した。

 また、「『つみたてNISA』の認知度と現場における推進の実態」を報告した三菱UFJ国際投信のプロダクト・マーケティング部長の吉田研一氏は、同社が毎月実施している「つみたてNISA1万人調査」の結果から、「『つみたてNISA』の認知度は17年9月の19%から18年4月の25%へと少しずつ向上しているが、その内訳をみると、投信を知っている人の中でつみたてNISAを知らない層が関心を持ち始めているばかり。投信を知らないひとは、依然として、つみたてNISAも知らない。投資への無関心層への声掛けが重要」とした。

 そして、つみたてNISAに関心を持った人々を惹きつけた言葉は、「いつでも解約できる」「まとまったお金がなくてもできる」など「キホンのキが、意外に関心を持ってもらうきっかけになっている」と、改めて、金融機関の店頭・窓口での幅広い層への広報活動が重要と語っていた。

 銀行の担当者によるパネルディスカッションでは、「つみたてNISAの口座開設者の80.5%が50代以下の方々。これまで、投信の販売においては関係の薄かった層が利用していただいている」(ゆうちょ銀行の投資信託事業部長 吉田浩一郎氏)。「関心のきっかけは店頭で、契約はWebというのが大きな流れ。口座開設の60%は投資の経験がない方」(三菱UFJ銀行 リテール業務部長 大下哲哉氏)。「口座開設者の80%は現役世代。土日バンクでの小規模セミナー、住宅ローンセンターでの案内など、現役世代と接点のある拠点でつみたてNISAのピーアールに努めている」(横浜銀行 個人営業部長 都田ゆか氏)など、それぞれ現役世代への浸透を図る努力を続けている。

 また、「グループの従業員とその家族も含めた総勢100万人につみたてNISAを案内している」(ゆうちょ銀行)、「職場で行員向けに利用を促すセミナーを複数回開催し、新人研修でもつみたてNISAを紹介した」(三菱UFJ銀行)など、「隗より始めよ」と、取り扱いを担う担当者から、つみたてNISAを始めるということがひとつの流れになっている。


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