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企業価値向上を実効的に後押しする、コーポレートガバナンス・コード見直し議論進む

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「フォローアップ会議」(第14回)の様子

 金融庁と東京証券取引所が事務局を務める「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第14回)が2月15日、金融庁の特別会議室で開催された。2015年3月に公表された「コーポレートガバナンス・コード原案」から3年が経過し、コードの利用実態も踏まえて実効性の高い制度として定着を図ることが目的。事務局から「投資家と企業の対話ガイドライン(案)」が示され、コーポレートガバナンス・コードについて、企業ごとに勝手な解釈を認めるのではなく、一定の方向性を与えたいという意図がある。

 15日の議論で浮かび上がってきたのは、コーポレートガバナンス・コードの目的は、「企業が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現し、ひいては、経済全体の成長と国民の安定的な資産形成に寄与すること」であり、この目的に適った運用がなされるようにすることという強い意志だった。形式的にコードを遵守しているという状態を良しとするのではなく、企業価値の向上を促すことに実効性のあるコードとして定着させたいとした。

 その中で、集中的な議論の的になっていたのが、「資本コスト」、「CEO(選任と解任)」、「政策保有株式」。

 「資本コスト」については、コーポレートガバナンス・コード原則5-2で示されている「経営戦略や経営計画の策定・公表」において現在のコードでは、「収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を提示し」と書かれてあるが、このコードを改訂して「資本コスト」の開示を具体的に求めるべきという強い意見があった。

 「CEO」については、取締役会、あるいは、監査役会、さらには、独立社外取締役が実質的に機能しているのかということについて疑問の声があがった。また、取締役・監査役会のメンバーとして、資本コストや財務、法務、会計などの基本的な知識が備わっているのか疑わしい人物も少なくないことが問題視されていた。

 そして、日本企業独自の課題である「政策保有株式」について、コーポレートガバナンス・コード原則1-4で「政策保有株式として上場株式を保有する場合には、政策保有に関する方針を開示すべきである」とされているが、これを踏み込んで「個別銘柄の保有の理由について、それぞれの銘柄の保有目的がステークホルダーに理解できるよう、分かりやすく説明すべき」という意見があった。

 今回示された「ガイドライン」は、「コードそのものが会社法などではなく、それを受け入れなくても何ら罰則がない性格のものに、さらにガイドラインを設ける必要があるのか? むしろ、ガイドラインとして基準を示したいのであれば、コードに書き込むべきではないのか」という指摘もあった。

 コーポレートガバナンス・コードは、スチュワードシップ・コードと対をなすもので、今回のガイドラインも「投資家と企業の対話ガイドライン」として立案されている。スチュワードシップ・コードは、投信投資顧問会社や企業年金等の資産運用主体に、受益者と投資先企業双方を視野に入れた責任ある行動を求めている。投資先である企業が、コーポレートガバナンス・コードを遵守することによって、企業価値の向上に努め、資産運用の主体である運用機関が、企業を正しく理解して価値向上を図る企業に積極的に投資することによって、結果的に、日本の企業、日本経済の成長力が高まるという考え方だ。

 そして、日本の企業の価値が向上すれば、そこに投資している投資商品や年金等の運用成績も向上し、広く国民全般が幸せになる。政府、金融庁は、確定拠出年金法の改正によって個人型確定拠出年金(iDeCo)の普及に努め、また、この1月から「つみたてNISA」をスタートして、株式投資信託の積み立てによる個人の資産形成を促しているが、これら制度の長期的な育成のためには、マザーマーケットである日本の株式市場の一段の発展が不可欠といえる。その株式市場の健全な育成をめざすコーポレートガバナンス・コード、および、スチュワードシップ・コードを巡る動きには注目していきたい。

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