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つみたてNISAが開く投信新時代、信託報酬0.1%の公募投信が登場

 2018年は、つみたてNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)がスタートするとともに、公募投信の信託報酬率が0.1%になる時代の幕開けになる。0.1%台ではない、0.1%だ。1月12日にSBIアセットマネジメントが新規設定する「EXE-iつみたて先進国株式ファンド」の信託報酬は、税込0.1155%になる。これを受けて、三菱UFJ国際投信は12月29日、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の信託報酬を1月30日から税込0.11826%にすると発表した。

 「EXE-iつみたて先進国株式ファンド」は、「FTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)」に連動する投資成果をめざし、マザーファンドを通じて「シュワブ U.S.ブロードマーケットETF」と「SPDRポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)ETF」に投資する。連動をめざすインデックスが、つみたてNISAの指定インデックスであることから、つみたてNISAの対象商品になると考えられる。信託報酬は年0.081%(税抜:0.075%)で、マザーファンドを通じて投資するETFの信託報酬等を加えた実質的な投資家の負担が年0.1155%程度になる。つみたてNISAの対象商品にリスティングされれば、全対象ファンドの中で最低水準の手数料率だ。

 一方、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」は、現在は税抜0.189%の信託報酬率だが、これを0.1095%に引き下げる。「他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、業界最低水準の運用コストをめざす」とする「eMAXIS Slim」の商品性を堅持するため引下げを決定した。税込信託報酬で、新設される「EXE-iつみたて先進国株式ファンド」と、ほぼ並んだ。

 つみたてNISAの対象商品として「先進国株式」は、指定インデックスの「MSCI WORLD Index(除く日本のMSCI KOKUSAI)」に連動するファンドとしてニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」も「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」と同じ税抜0.189%(税込0.20412%)で、最も低い手数料率だった。

 また、指定インデックスの「CRSP U.S. Total Market Index」に連動する楽天投信投資顧問の「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が税込0.1696%で一段低い運用コストを実現していた。今回の2ファンドは、この水準をさらに押し下げ、0.11%台という次元の異なる水準の手数料率を提供することになる。

既存のビジネスモデルでは成り立たない超低手数料の時代

 もはや、運用会社が得る手数料は、「EXE-iつみたて先進国株式ファンド」では年0.03%(税抜)だ。たとえ100億円の残高が積み上がっても得られる収益は年300万円に過ぎない。つみたて投資でコツコツと資金が集まって来ることを考えると、ファンドが損益分岐点を超えてくるまで何年の年月が必要になるのであろうか。

 もちろん、国内最大の公募投信では残高が1兆円を超えるものがある。そこまで育てば、0.03%でも3億円の収益になるので十分な収益といえるだろう。SBIアセットマネジメントや三菱UFJ国際投信は、信託報酬が0.1%の投信を出すことによって、1本のファンドが少なくとも数千億円の規模に成長するような国内投資信託市場の発展を期待しているということになる。

 実際には、楽天投信投資顧問、ニッセイアセットマネジメント、そして、「iFree」シリーズの大和投資信託、「たわらノーロード」シリーズのアセットマネジメントOne、「DCつみたてNISA」シリーズの三井住友アセットマネジメント、「i-SMT」シリーズの三井住友トラスト・アセットマネジメント、「野村つみたて」シリーズの野村アセットマネジメント、「smart-i」シリーズのりそなアセットマネジメントなど、つみたてNISAにシリーズで商品群を送り込んでいる運用会社は、年率0.2%を下回る0.1%台の手数料率の商品を出している。これら運用会社も等しく、投信市場の大発展や、つみたてNISAの成功を祈っているといえよう。

 つみたてNISAは、毎月積立コースを選んだ場合、1人で最大3.3万円しか投資ができない。10万人がMAXの3.3万円で投資したとしても33億円にしかならないので、最初の数カ月は1カ月当たりの資金流入額が数億円という静かな始まりになることは間違いない。その始まりが、投信市場大改革の一歩になるかどうか見守っていきたい。


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