つみたてNISAコラム

つみたてNISAでできること! 世界株式インデックスに投資する意味とは?

 つみたてNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)が今年1月に始まって、約半年が経過しました。同制度が長期の資産形成を促し、投資経験のない方にも投資の一歩を踏み出してもらうことを目的としていることもあって、利用の拡大が遅々として進まないようです。つみたてNISAは毎月1,000円などの少額の資金で始められるので、利用が進まないのは「お金がない」というより、「投資は怖い」、あるいは、「投資のことがよく分からない」というようなことが一歩を踏み出せない要因になっているといわれます。つみたてNISAの対象となる商品がどんな商品なのか、まずは、その内容を調べてみましょう。

つみたてNISAの対象商品は6,000本中の148本

 つみたてNISAについて金融庁は、「特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度」と規定しています。わざわざ「特に少額からの」と断っているのは、1年間の投資限度額を40万円以内に抑えたからでしょう。非課税期間5年の通常NISAであれば、年間120万円です。若い世代の人で、これから資産を作る場合には、つみたてNISAを使った方がメリットが大きいと考えられます。

 つみたてNISAは、毎月の積み立て可能額が約3.3万円ですが、20年にわたって投資収益に非課税のメリットがあります。毎月3万円を20年間積み立てられれば、積立金額の合計は720万円ですが、年利5%(年複利)で運用できれば、非課税で1,222万円になります。課税されると1,093万円ですから、この差額の129万円が非課税メリットです。

 つみたてNISAの対象商品は、「手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)」に限定されています。対象商品に合致しているかどうかは、金融庁が判断し、対象商品リストを公表しています。現在、対象商品数はETFも含めて148本です。公募投信はETFも含めて6,000本以上もありますから、対象商品が絞られているだけ、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっていると金融庁は解説しています。

 対象商品は、「株式投資信託」に限られています。債券に投資する場合は、必ず株式投資信託に加えて投資することと決まっています。なぜ、債券ではダメなのかという点は、直接は説明していませんが、つみたてNISAの対象商品を検討した専門委員会の報告書で、「預金しか保有していない顧客に対しては、株式主体の投資信託の保有を通じてアセットクラスの分散が可能になることを説明するなど、顧客の金融資産全体のポートフォリオを最適化する観点から、的確な説明を行うことが求められる」との言及があります。

 また、長期・積立・分散投資も適した低コストの商品という点で、株式インデックス投信が主体となる商品に位置づけられました。また、そのインデックスも日本の年金運用等で利用されている代表的なインデックスに限定されました。

指定インデックス別の対象商品本数

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出所:モーニングスター作成


対象商品の特徴とパフォーマンス

 具体的には、日本株のインデックスは「日経平均株価」、「TOPIX(東証株価指数)」、「JPX日経400」の3つ。海外株式は、先進国株式インデックスとして「MSCI World Index(または、MSCI World Indexから日本株を除いた「MSCIコクサイインデックス」)」、「FTSE Developed All Cap Index」。新興国株式インデックスとして「MSCI Emerging Markets Index」、「FTSE Emarging Index」。そして、先進国に新興国を合わせて全世界に投資する株式インデックスとして「MSCI ACWI Index」、「FTSE Global All Cap Index」が主たる対象になっています。

 MSCIとFTSEは外国株式インデックスとして広く利用されています。対象銘柄数は、MSCIが大型株中心でFTSEの方が小型株も含むところが異なり、かつ、先進国の区分として韓国を加えない22カ国のMSCIと、韓国を加えた23カ国のFTSEという差があります。新興国は、MSCIが韓国を加えた24カ国で、FTSEは韓国を加えない23カ国です。対象国には違いがありません。

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 さて、世界の株式の時価総額を見ると、先進国が約80%を占めます。新興国が10%あまり、日本は10%弱という比率です。日本株だけに投資すると、世界の株式の10分の1程度の収益機会しか得ていないことになりますから、分散投資としては不十分です。新興国株式だけに投資することも同じです。また、先進国株式に投資していれば、それだけで全体の80%をカバーしているということもできます。世界の株式にまんべんなく投資しようとすれば、「MSCI ACWI Index」か「FTSE Global All Cap Index」に連動する投信を選ぶか、先進国株80%+日本株10%+新興国株10%程度の割合で投資した方が良いということがいえます。
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 MSCIとFTSEが出しているインデックスの資料に基づいて、各インデックスの過去のパフォーマンスを調べると以下の表の通りになります。下記の表はドル建ての収益率ですから、日本から投資した場合の収益率とは異なってきます。ただ、株式投資の収益率の目安としてご覧ください。一般に、先進国よりも新興国の方が収益率が高いというイメージがあるとは思いますが、この5年間や10年間でみると、先進国株式の方が良い運用成績になっていました。

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積立投資の資産形成効果は長期に継続してこそ発揮

 たとえば、過去20年間にわたって毎月1万円を先進国株式(MSCIコクサイインデックス、円ベース)に連動する投信を使って積み立て投資をした結果、積み立て結果は421万円になります。元本は240万円ですから元本と比べ175%の成績になりました。投資収益率は年率5.2%になります。リーマンショック時などは、投資収益が元本を割れていますが、その間も積み立てを続けたことによって、最終的には大きな収益になりました。同様に10年間の積み立てでは、結果は207万円で、元本の120万円に対して年率10.1%の投資収益率になります。

 このように、世界の株式市場に十分に分散投資して、10年、20年という長期に積立投資していく効果は、大きな成果につながります。つみたてNISAでは、世界の経済規模の拡大、株式市場の成長を信じて各金融機関が用意した低コストの株式インデックスファンドをコツコツと積み立て続けることが肝要といえそうです。

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