つみたてNISAコラム
貯蓄額を増やす生活習慣、「目標額を決め」「毎月決めた額を貯蓄する」こと
都道府県別の貯蓄額ランキングでは、大阪府、滋賀県、京都府の近畿2府1県がトップ3を独占し、東京都(19位)、千葉県(7位)、埼玉県(33位)の首都圏1都2県と大きな差が生じています。平均貯蓄額の差は、近畿の約567万円に対し、首都圏は約379万円と200万円近い差になっている。この格差は近畿エリアでは、毎月決めた額を貯蓄している人の割合が高いことが理由になっているようです。ソニー生命保険が実施した「47都道府県別 生活意識調査2018(マネー・旅行編)」から、貯蓄額が多い人たちは、お金の管理について意識が高いことがわかります。改めて「つみたて」について考えてみませんか?
ソニー生命の調査は、全国の20歳~59歳の男女4,700名(各都道府県100名)を対象にした調査ですので、現役世代の意識を都道府県別に比較することができます。そこで際立っているのが、貯蓄額についての東西格差です。
3大都市圏は「倹約家」、男性は千葉・奈良が同率トップで女性は大阪がダントツ

出所:ソニー生命保険「47都道府県別 生活意識調査2018(マネー・旅行編)」
「自分が倹約家だと思う」というアンケートには、1位が大阪府(68%)、2位が東京都(64%)、3位に愛知県、鳥取県(同率63%)と3大都市圏が上位を独占しました。都会は何かと物価が高いので、日用品などはできるだけ安い商品を選んで暮らすということが定着しているようです。都会だと比較検討するための店舗もたくさんあるので、特売日等を使い分けて買い物をするということも容易です。男女別にみると、男性は千葉・奈良・鳥取・福井が同率(64%)でトップ。女性は、大阪が76%で2位以下に10ポイント差をつけてダントツでした。
このように「無駄使いをしない」という点では、大阪も東京も変わらないのですが、なぜ、貯蓄額では605万円(大阪)と373万円(東京)という大差がついてしまうのでしょうか?
そのヒントのひとつは、「貯蓄額の目標を設定している」かどうかの違いのようです。大阪府では24%の人が、目標を決めて貯蓄をしています。東京都はこの比率が14%です。「毎月決めた額を貯蓄している」という人の割合は、大阪府が22%で、東京都が20%ですから、それほど違いはないのですが、目標を持って貯蓄しているかどうかが、貯蓄額の違いに反映しているように見えます。
貯蓄の決めては、目標を決めて、毎月決めた額を貯蓄すること
近畿エリアでは、滋賀県(26%で2位)と京都府(25%で4位)は毎月決めた額を貯蓄している人の割合が高いです。千葉県(21%)、埼玉県(21%)も、毎月決めた額を貯蓄していますが、貯蓄残高で京都、滋賀に劣ります。貯蓄額の目標を設定しているかどうかでは、埼玉(18%)、千葉(17%)の方が、京都(16%)、滋賀(15%)よりもやや高いのですが、実質的な積立金額に差があるのかもしれません。
アンケートでは、「家計簿をつけているか」「財布の中味を整理するようにしているか」なども聞いていますが、それらが直接、貯蓄額の多い少ないには関係ないように見えます。
毎月決めた額を貯蓄するポイントは、給与をもらったら、最初に貯蓄する額を貯蓄専用の口座に移してしまうことです。1カ月の生活をして残った金額の中から貯蓄しようとしても、毎月決まった額は貯められません。給与天引きの財形貯蓄のように、強制的に収入の一部を貯蓄に回すことが効果的です。
財形貯蓄の他にも、勤め先の企業が確定拠出年金を導入して自主的な上乗せ拠出(マッチング拠出)を認めているのであればマッチング拠出を、あるいは、従業員持ち株会など、給与から自動的に引き去りがある方法は確実です。次に、給与の振込口座から自動引き落としで「つみたてNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)」口座、生命保険(個人年金)などに資金が拠出される仕組みを作ってしまうことも方法です。
同じように貯蓄をするのであれば、ゼロ金利の預貯金ではなく、運用成果の見込める投資信託による国際分散投資を検討してみてください。NISAを使えば、分配金や値上がり益への税金が非課税になり有利です。たとえば、外国株式(MSCI KOKUSAI 配当再投資、円換算)の2017年3月末で過去30年間の平均収益率は7.91%(累積9.8倍)になっています。世界経済の成長率は、IMF(国際通貨基金)の見通しで2018年、19年は3.9%と、ここ数年では高い水準の成長が予測されています。
株価の動きには、経済成長だけでは説明できない様々な要素が関係し、時として大きく上下動します。その価格変動は毎月の積み立て投資で吸収することも可能です。30年間にわたって、毎月1万円を世界株式に積立投資すると、1988年1月~2017年12月で980万円(元本は360万円)を作ることができました。新年度入りにあたって、新しい気持ちで「つみたてNISA」での資産作りをご検討ください。

出所:モーニングスター作成
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