つみたてNISAコラム

つみたてNISA(積立NISA)で始める20年投資、過去20年間で最も儲かった投資商品は?

 「20年前」と一言にいわれて、どんな年だったかを思い出せる人はいるでしょうか? たとえば、1997年(平成9年)の首相は誰でしょう? 橋本龍太郎氏でした。当時のテレビのワイドショーを賑わしていた大事件を覚えていますか? 14歳の少年による連続殺傷事件「酒鬼薔薇事件」です。当時のヒット曲は? 安室奈美恵さんの「CAN YOU CELEBRATE?」が大ヒットし、初代「モーニング娘。」がデビューします。このように具体的な世相から、30代、40代の人にとっても、「一昔前」という感慨があるでしょう。そんな20年前に、「日経平均株価」に毎月1万円ずつ積立投資をしていたら、今頃は、いくらになっているのでしょうか? 「つみたてNISA」(積立NISA)のスタートを前に、「20年投資」の実際について検証してみます。

過去20年間、もっとも成績が良い新興国株は値動きも激しい

 過去20年間の主要資産の価格の動きは以下のグラフの通りです。日本の株式市場の動きを代表する株価指数として「日経平均株価」、全世界の株価の動きを映す「MSCI ACWI Index」、そして、先進国株式の値動きを表す「MSCIコクサイ(KOKUSAI)」、新興国の株価指数である「MSCI Emerging Markets Index」の動きを示しました。海外の株式指数は、評価額を円に換算してあります。


図表1:過去20年間の代表的な株価指数の推移


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 こうしてみると、新興国株価の値動きが非常に大きいことが分かります。リーマンショックの時には、2007年10月に252ポイント(1997年12月末=100)だったものが、約1年半で60ポイント(2009年1月)まで下落しています。資産評価額はピークから4分の1以下に目減りした計算です。100万円あったものが、1年後にみてみると25万円以下になってしまっているのですから、これを突きつけられると、血の気が引いて顔面蒼白になってしまいそうです。

 また、日本株式の低迷も目立ちます。2017年の値上がりがあったので、最終的には136ポイントとプラス圏で終わっていますが、2016年の8月までは100ポイント前後という20年前の株価水準でもみ合っていました。「全世界株式」と「先進国株式(除く日本)」は、この20年間でみれば、ほぼ同じような動きをしてきたこともわかります。

 このような動きをみて、皆さんは、どのような感想を持つでしょうか? 「やっぱり、投資は怖い」でしょうか? 「どうせなら、新興国株に投資したい」でしょうか? 最終的に最も成績が良い新興国株式ですが、もし、10年前の250ポイント近辺で投資していれば、いまだに元本割れの状況で辛い思いをしていることにもなります。「もっとも成績の良いものが、もっとも価格のブレ幅も大きい」というのは、「帯に短しタスキに長し」というのか、「だから、投資はしたくないんだ」という理由のひとつになりそうです。

つみたて投資で振り返る20年間は、様相が違って見える

 ただ、実際には、20年前に買って、「20年間そのままで何もしない」というわけではありません。「つみたてNISA」を使う場合は、毎月定額で積立投資をしていきます。これは、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)でも同じことです。

 そこで、20年間にわたって、毎月1万円を月末に投資していたらという前提で、投資損益を調べたものが以下のグラフです。まず、「日本株式(日経平均株価)」に投資した場合を見てみます。20年間の積立ですから、投資元本は合計で240万円になります。ゼロから240万まで一直線に伸びているのが、投資元本の推移です。結果をみると、元本が240万円に対し、430万円の資産ができたことになりました。


図表2:「日経平均株価」の20年間積立投資の成果


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 株価指数は100から136まで36%の値上がりに過ぎなかったのですが、積立投資をしていると80%程度のプラスになっています。また、リーマンショック時の下落についても、指数は45ポイントと半値以下になりましたが、積立投資では元本133万円に対し、79万円と40%マイナスの水準にとどまっています。130万円のはずが80万円足らずというのは、たしかにショックですが、積立を継続するということは、投資開始時(100ポイント)の半値以下の水準で新規に買い足していくことになります。

 株式投資のベテランは、このような投資時よりも安くなったところで買い足すことを「ナンピン買い」といって、保有コストを引き下げる手段として良く使います。下がった株価は、いずれ、上がるもの。どこまで下がるか、いつになったら上がるのかは、分からないのですが、会社が倒産してなくなってしまわない限り、いつかどこかで上がります。その時に、保有コストが低くなっていれば、少しの値上がりでも利益を上げることができます。実際に、過去20年間で、株価は半値以下に値下がりすることもありましたが、最終的には値上がりしています。そして、安い値段で買い続けたことによって、最終的に大きな報酬を受け取ることができました。

 一方、「全世界株式」「先進国株式」「新興国株式」への積立投資結果も調べてみました。「新興国株式」は508万円で頭抜けた成果となりましたが、その他、「先進国株式」(442万円)、「全世界株式」(429万円)は、ほぼ似通った運用成績になりました。100が、20年間で430になるということは、年平均8%で資産が成長したということになります。508万円になった新興国株式だけは、年平均9%成長でした。


図表3:主要な株価指数の過去20年間の積立投資の成果


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つみたてNISAで始める20年投資

 ここで、検証した「日経平均株価」や「MSCIコクサイ」などの株価指数は、つみたてNISAの投資対象商品そのものです。当サイトの「つみたてNISA対象ファンド一覧」をご参照ください。一番左のチェック欄で、「単一指数」をチェックして、「国内型」を選べば、「日経平均株価」があります。「海外型」には、「MSCI ACWI」「MSCIコクサイ」「MSCI Emerging Markets Index」があります。投資してみたい株価指数をチェックすると、具体的なファンド名がリストアップされます。できるだけ信託報酬0.2%程度の銘柄群など、信託報酬が安い商品を選びましょう。

 1997年末に、今の状況は想像もできなかったように、これから20年後の世界がどうなっているのかは誰にも分からないと思います。iPhoneの発売日は2007年です。今では当たり前になっているスマートフォンが、10年足らずで爆発的に普及したように、これからの10年、20年でも大きな変化が起こることが考えられます。この変化を世界的な視野でとらえるならば、新興国株式を含む「全世界株式」に投資するプランを考えたいところです。「全世界株式」に投資する投資商品がない場合、「先進国株式」プラス「新興国株式」という組み合わせた投資で、全世界株式に投資することが可能です。

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