つみたてNISAコラム

「低コスト運用なら、つみたてNISA」、対象ファンドは運用コストでETFを凌駕

 資産運用の常識が変わりつつあります。長らく言われてきた「公募投信よりETF(上場投信)は運用コストで有利」という常識は、つみたてNISAによってくつがえります。資産形成の手段として、購入・解約手数料を無料とし、さらに、投資対象商品については運用コストに上限を設けるなど、徹底した低コスト運用を提供する仕組みになりました。その結果として、運用コストの面で有利とされてきたETFよりも信託報酬が低いファンドが、続々と現れてきています。「低コスト運用なら、つみたてNISA」ということが、これからの常識になるでしょう。

国内ETFと つみたてNISA対象の公募投信の信託報酬比較


ETF_cost.jpgETF_cost4.jpg

出所:モーニングスター作成(2017年11月13日現在)

 つみたてNISAは、その名前の通り、「積み立て」によってゼロから資産を作っていく人のための税優遇口座です。これから資産を作る人にとって、税金にも運用コストにも邪魔されずに、健やかに資産を育てていくことができます。まず、購入時の手数料は一律で無料です。つみたてNISAで購入する限り、購入時手数料はかかりません。そして、運用時の手数料である信託報酬については、国内インデックス投信は年0.5%以下、海外インデックス投信は年0.75%以下などという条件があります。

国内インデックス投信の信託報酬は平均0.27%

 実際には制度の上限の手数料よりも低い信託報酬の商品が増えています。11月8日現在の実績では、つみたてNISA対象商品で国内インデックス投信の平均信託報酬は年0.27%、海外インデックス投信は平均0.35%です。海外インデックス投信については、先進国インデックスに連動するETFとの比較では、つみたてNISA対象の公募投信の方が低い信託報酬になっています。国内インデックス投信でもETFの売買手数料を考慮すると、トータルでのコストはETFの方が高いということが起きます。

 「投資」より、「預貯金」を選ぶ理由は、「元本が割れる可能性がある」という価格変動への警戒感が大きいのですが、もうひとつは、「手数料が高い」ことがあります。預貯金であれば、低金利で利息は付きませんが、預け入れたお金を引き出すことに手数料もかかりません(夜間や休日などでATM手数料を取られることはあります)。ところが、投資信託を購入すると、購入時に1~3%の手数料が取られ、運用時にも1%~2%の手数料が取られ続けます。購入時に3%の手数料を取られると、1万円は申し込んだとたんに9700円になります。今日買って、明日売れば300円の損が確定します。損をしたくなければ、購入した投資商品が購入時よりも3%以上(購入時手数料の3%+信託報酬率)値上がりすることを待たなければならないのです。

 ところが、つみたてNISAでは購入時手数料が取られません。1万円は1万円のままです。そして、信託報酬は年0.2%~0.5%程度にとどまります。たとえば、東証1部上場銘柄の平均配当利回りは年1.5%程度ですから、つみたてNISA対象の国内インデックス投信の平均信託報酬年0.27%の5倍以上です。運用コストの負担感は格段と小さくなっています。

 もちろん、価格変動リスクは避けられません。国内株式のインデックスであれば、1年間に20%程度の値動きがあります。マイナス20%になった場合、配当利回りの1.5%も、信託報酬が0.2%程度に低くなった効果なども吹き飛びます。ただ、つみたてNISAは、継続的に投資しますから、価格が20%マイナスになった場合、1.2倍の量を買い増すことができます。

つみたてNISAは資産形成の新常識になり得るか?

 下落時により多くの量を買い入れることによって、価格が少し値上がりすることで収益が出やすくなります。積み立て投資によって、株式のように値動きの大きな資産に投資することの価格変動リスクが軽減されます。このこともつみたてNISAによる投資の新しい常識になるでしょう。

 「低コスト」、かつ、「価格変動のリスクを軽減」というメリットは、つみたてNISAの普及を後押しするエンジンになると期待されます。最高の追い風は、つみたてNISAを使っている人が、満足のいく投資収益を手にすることです。過去10年間にわたって日本株インデックス(TOPIX、または、日経225)に積み立て投資すると、投資元本に対して2倍程度になったというのが、これまでの運用成績です。これからスタートするつみたてNISAで、過去10年のような運用成績が残せれば、つみたてNISAは資産形成の新常識として定着することになるでしょう。


【関連記事・情報】
つみたてNISA採用ファンド、熾烈な競争で国内株式インデックスは年0.2%以下に収れん
「つみたてNISA」候補ファンド公表、フィーレベルカテゴリーで分析!!

最新記事

つみたてNISAトップページへ>>